ブッダはアナーキスト?
生まれてすぐ「天上天下唯我独尊」と口にし、さらに大乗仏教において数えられないほどの転生をして様々な形で法を説いていたり大日如来の化身であるとかなんとか、ブッダはとても人間離れした人物像?で伝えられていますね。
しかし原始経典から見えてくるブッダという人の人間像は極めて人間的なんですね。
しかも、どちらかというと、過激というか・・・
当時のインド社会は思想に関してはとても自由で、思想家たちによる討論会も多く開かれていたそうです。
とはいえブッダの生きていた時代のインド社会は階級制度も厳しく、特にバラモン(司祭者)の権力はとても絶大だっとされています。
ブッダは言います。
あなたがたバラモン人は「神の口」から生まれたと自称し、他の階級の連中は「足の裏」から生まれたのだからすべてのバラモン人を尊敬すべきだと強要している。
それは押し売りと一体何が違うのか?
生まれながらにバラモンになるのではない、生まれながらに卑しいものもいない。バラモンになろうと修行をするからバラモンなのであって、行いが卑しければバラモンではないと。
そのように手厳しく批判しています。
当時のインドは経済活動が活発になり、財力を得た国王たちの権力が強くなり、バラモンの権威がすこし落ちてきたとのではないかと考えられています。
しかし、そのような時代でも、階級の頂点であるバラモンを批判するのは危険なことだったのではないでしょうか?
そして、国王に対しても批判を繰り広げます。
人が受ける難として、水害、日照り、火事などの自然災害などを挙げていき、最後に、国王の難、盗賊の難とあげています。
そして、
「昼は国王の官吏が荒らし、夜は盗賊が荒らす」
なかなか、手厳しいというか・・・国王を泥棒や天災とおなじ扱いに。
そして、社会生活に関しても
「恥を知らず、厚かましく、図々しく、人を責め、大胆で、不正なるものは生活しやすい。恥を知り、常に清きを求め、執着を離れ、へりくだり、清く暮らす賢者は生活しがたい」
と、このように皮肉を交えて批判を。
なんか、現代社会の話みたいです。
また、面白いのが、
「学ぶことの少ない人は、牛のように老いる。 彼の肉は増えるが、彼の智慧は増えない」
と、ブラックユーモア的なものも。
とまあ、こんな感じで、原始経典には権威、体制などを皮肉を交えながら痛烈に批判している箇所が随所に見られます。
大乗経典に見られるような高尚なイメージとはずいぶん違うのではないでしょうか?
人間ってそんな変わらないんだなと思わせてくれるような、今の社会との共通点もずいぶん見られます。
そんな、生々しい、当時の生活や思想が垣間見れるのが原始仏教のもう一つの面白さですね。
ブッダはかなりの皮肉屋さんだったのかもしれません。
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